先日、卒業生にばったり会いました。彼女は幼稚園年中児のお母さんです。中学生の時に国語の授業中、私から「君の字はきれいで丁寧で読みやすい」とノートの字をほめられたのだそうです。私はすっかり忘れていました。当時、彼女は自分の書く字が小さいことにコンプレックスを感じていて、ほめられたことがとてもうれしかったのだと伝えてくれました。それから20年近く経つのに、その小さな一言をそのように感じてくれていたとは、ありがたいことでした。
3月には卒業式があります。6年生を中学校に送り出すのですからうれしいことなのですが、お別れだと思うとさびしい気持ちのほうが勝ります。週1時間、演習の授業を受け持ちました。学びの喜びを届けられただろうか、力をつけることができただろうか、何気なく使った言葉でがっかりさせたりしたことはなかっただろうか、などなど、いろいろと考えます。
10年先、あるいはもっと先、巣立っていく6年生にばったり会うことがあるかもしれません。その時にどのような会話が交わされるのでしょう。楽しみです。