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校長ブログ(7月)

  • ceciliaelementary
  • 7月1日
  • 読了時間: 3分

 毎年、梅雨の時期の休み時間は「雨のため」室内遊びが中心となりますが、今年は梅雨の時期とは思えない「猛暑のため」室内遊びが中心となっています。それでも子どもたちは教室だけでなく、図書室やコミュニティースペース、エアコンのある体育館などを使い、工夫しながら友達と楽しく過ごしています。

 さて、皆さんは「タイドプール」という言葉をご存じですか。磯などで海水が引いたときにできる「潮だまり」(大きな水たまり)のことをタイドプールといいますが、先日、理科の体験学習の一環で、このタイドプールにいる生物を観察する「磯の観察会」を行いました。タイドプールは、一見、何の生物もいないように見えますが、よく観察すると石の裏や海藻の中などにたくさんの生き物を見つけることができます。カニやヤドカリ、エビ、イソギンチャク、ウニ、ヒトデ、ナマコ、アメフラシなど、子どもたちにとって、生まれて初めて見る生きた海の生物は、驚きの連続だったようで、「キャー」「ワァー」「ウォー」という歓声があちこちから聞こえてきました。普段見ている陸上の生物では見られないような変わった形や色をしているもの、変な動きをするものなど、子どもたちにとってタイドプールは「異次元空間」のように感じられたことでしょう。

 観察中に、ある児童から「校長先生、『ムラサキマン』という磯の生物を知っていますか」という質問を受けました。「ムラサキマン?」全く聞いたことのない名前でしたが、よくよく聞いてみると、刺激を受けると紫色の液体を出す「アメフラシ」や「タツナミガイ」のことを、理科の授業では通称「ムラサキマン」と呼んでいたようです。

 このムラサキマンこと「タツナミガイ」を見つけた児童が困った顔で立っていました。紫色の液体を出すところを見てみたいが、いつまで経っても出さないとのことでした。

「刺激を与えないと紫の液を出さないんだよ。触って刺激を与えてごらん」と教えてあげました。

「え~! 怖くて触れない!」確かにタツナミガイの見た目は、とてもグロテスクです。

「紫色の液を見たかったら、勇気を出して触ってごらん。怖くないから」というと、しばらく黙っていましたが、意を決したようで、おそるおそる人差し指をタツナミガイに近づけて…ちょんと触ることができました。触れたということが嬉しかったのか、さっきまでの不安そうな顔が、一気に笑顔に変わりました。でも、紫の液体は出ません。

「それでは刺激が足りないなあ。今度は手でぎゅっと掴んでごらん」

「うん。やってみます」というなり、今度は何のためらいもなく自信満々でタツナミガイをぎゅっと掴みました。すると、タツナミガイの体から紫色の液体が噴き出してきました。「うわー」とびっくりはしていましたが、顔は満面の笑顔でした。

 この子にとって、この日の体験は、一生、心に残る体験になったのではないでしょうか。子どもは体験することによって感動し、そして、その記憶は心の深いところに刻まれていきます。このような体験を子どもたちにたくさんさせてあげることも、小学校の大切な役割だと考えています。

 7月中旬から、宿泊での体験活動が始まります。2年生は学校宿泊体験、3年生と4年生は山や川での自然体験、5年生と6年生はEnglish Tour と、学年ごとに行われる様々な体験を通して、たくさんの感動が生まれることを期待しています。

 


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